初心者7更新: 2026-03-11

漁業権とは?釣り人が知っておくべき法律

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漁業権とは?釣り人が知っておくべき法律

「海は誰のものでもない」——そう思っている釣り人は少なくない。確かに海は公共のものだが、漁業権という法的な仕組みによって、特定の水域での採捕が制限されている場合がある。

知らずに違反すれば、密漁として検挙される可能性もある。年間の検挙数は決して少なくない。「知らなかった」は言い訳にならないので、ここで基本をしっかり押さえておこう。

漁業権の基本構造

漁業権は漁業法に基づいて都道府県知事が免許する権利だ。大きく3種類ある。

種類内容釣り人への影響
共同漁業権地元漁協が特定水域で貝類・海藻類などを管理・採捕する権利対象生物の採捕が禁止される
区画漁業権養殖場など一定区画を占有して漁業を行う権利養殖施設への立入・採捕が禁止される
定置漁業権定置網を設置して漁業を行う権利定置網周辺での釣りに注意が必要

釣り人に最も関係が深いのは共同漁業権だ。これは沿岸域に広く設定されており、対象となる生物を採ることが法律で禁じられている。

採ると密漁になる生物

共同漁業権の対象となる代表的な生物は以下のとおりだ。

ほぼ全国共通で禁止されている生物

  • アワビ(クロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビなど)
  • サザエ
  • ナマコ
  • ウニ(ムラサキウニ、バフンウニなど)
  • イセエビ
  • タコ(地域による)
  • ワカメ・コンブなどの海藻類

WARNING

2020年の漁業法改正により、アワビ・ナマコの密漁に対する罰則が大幅に強化された。3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金という、非常に重い刑罰が科される。

見落としがちなケース

  • 磯遊びで貝を拾う → 種類によっては漁業権侵害
  • タコを釣る → 地域によっては共同漁業権の対象
  • ヒジキやテングサを採る → ほぼ全域で漁業権対象
  • 素潜りで魚介類を採る → 漁業権対象種の採捕は違法

「釣れたから持って帰っただけ」「食べる分だけ」は通用しない。漁業権侵害は故意・過失に関わらず成立することを覚えておこう。

都道府県ごとの規制

漁業権の内容は都道府県によって異なる。同じ魚種でも、A県では自由に釣れるがB県では禁止、ということがある。

確認すべき規制の種類

  1. 漁業権対象種 — 何が採ってはいけない生物か
  2. 体長制限 — 一定サイズ以下は採捕禁止(例:マダイ13cm以下)
  3. 禁漁期間 — 産卵期など特定の時期に採捕禁止
  4. 禁漁区域 — 特定の水域での採捕が通年禁止
  5. 採捕方法の制限 — 使える漁具・漁法の制限
  6. 遊漁券 — 内水面(川・湖)では遊漁券の購入が必要な場合が多い

TIP

各都道府県の水産課のWebサイトで漁業権の内容を確認できる。初めての釣り場に行く前に、必ずチェックしよう。「○○県 漁業権 遊漁」で検索すれば見つかる。

内水面(川・湖)の注意点

海と違い、川や湖での釣りには遊漁券(遊漁承認証)が必要なケースが多い。

  • アユ、ヤマメ、イワナ、ニジマスなどの渓流魚 → ほぼ全域で遊漁券が必要
  • ブラックバス、ヘラブナ → 漁協によって必要/不要が分かれる
  • 禁漁期間は厳格に定められている(渓流魚は10月〜2月が禁漁の地域が多い)

遊漁券は現場で購入すると割増料金になることが多い。事前にコンビニや釣具店で購入しておくのがおすすめだ。

「釣り」と「漁」の境界線

レジャーとしての釣り(遊漁)と、漁業としての採捕には法律上の区別がある。

項目遊漁(レジャー)漁業
目的趣味・レクリエーション生業・販売目的
道具竿・リール・手釣りなど網・かご・定置網など
規制漁業権対象種の制限あり漁業権に基づき操業
販売原則として販売不可販売が主目的

注意したいのは、遊漁で釣った魚をフリマアプリやSNSで販売する行為だ。食品衛生法の許可なく水産物を販売することは違法となる場合がある。

密漁の現実

「密漁」というと大がかりな犯罪を想像するかもしれないが、実際には一般の釣り人や観光客による「うっかり密漁」も多い。

検挙されるとどうなるか

  • 漁業法違反 — 3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金(特定水産動植物の場合)
  • その他の漁業権侵害 — 100万円以下の罰金
  • 都道府県漁業調整規則違反 — 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 前科がつく可能性がある
  • 実名報道されるケースもある

WARNING

SNSに「アワビ採れた!」などと投稿して検挙されるケースが増えている。証拠を自ら公開してしまう形だ。

通報の仕組み

漁業権侵害を発見した場合、以下に通報できる。

  • 海上保安庁 — 118番(海の事件・事故)
  • 都道府県の漁業取締事務所
  • 地元漁協
  • 警察

漁業監視員が巡回している水域もあり、「誰も見ていない」と思っても見られていることは多い。

釣り人が守るべき具体的アクション

法律の条文を全て暗記する必要はない。以下を習慣にすれば、大きなトラブルは避けられる。

  1. 初めての釣り場では事前に漁業権を調べる — 都道府県の水産課サイトが最も正確
  2. 貝・海藻・タコは原則として採らない — 対象かどうか不明な場合は採らないのが安全
  3. 内水面では遊漁券を必ず購入する
  4. 体長制限・禁漁期間を確認する — 釣り場のローカルルールも含めて
  5. 判断に迷ったらリリースする — 持ち帰らなければ違反にはならない

まとめ

漁業権は、水産資源を持続的に管理するための仕組みだ。釣り人にとっては制約に感じるかもしれないが、資源が枯渇すれば釣り自体ができなくなる。

  • 漁業権の対象種は都道府県によって異なる
  • アワビ・ナマコの密漁は最大3,000万円の罰金
  • 内水面では遊漁券が必要
  • 迷ったら採らない・リリースする

法律を知ることは、釣り人としての基礎体力だ。 ルールの範囲内で、思いきり釣りを楽しもう。

釣り場ごとのルールやメモを記録しておこう

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