イワシ(カタクチイワシ・マイワシ)の釣り方完全ガイド
Basic Info
イワシ(マイワシ)
| 学名 | Sardinops melanostictus |
| 別名 | マイワシ、カタクチイワシ(セグロイワシ)、ウルメイワシ、シラス(稚魚) |
| 体長 | 最大25cm程度(一般的には10〜20cm) |
| 生息域 | 沿岸表層・港湾・堤防周り |
| 旬 | 初夏〜秋(6〜11月がベスト) |
イワシとは
イワシは日本の食卓と釣りの両方において、最も身近な魚のひとつ。堤防からのサビキ釣りで誰でも手軽に釣れるため、釣りデビューに最適なターゲットだ。大群で押し寄せたときの入れ食いは爽快で、子どもから大人まで純粋に楽しめる。
日本沿岸で釣れるイワシは主に3種類。マイワシ(体側に7つの黒点が並ぶ)、カタクチイワシ(下顎が小さく口が大きい・セグロイワシとも呼ばれる)、ウルメイワシ(目が大きく潤んで見える)だ。堤防で最もよく釣れるのはカタクチイワシとマイワシ。
しかしイワシの本当の重要性は、釣りのターゲットとしてだけでなく、海の食物連鎖を支えるベイトフィッシュの王様であるという点にある。
TIP
イワシが港に回ってきたら、それは他の魚が釣れる合図でもある。シーバス、ブリ(イナダ)、ヒラメ、マゴチなど、イワシを追いかけてフィッシュイーターが接岸する。イワシの群れを見つけたら、その周辺でルアーを投げてみると大物に出会えるかもしれない。
生態・習性
食性
イワシは主にプランクトンや微小な生物を食べる。口を開けて泳ぎながら海水ごと濾し取る「濾過摂食」が基本的な捕食方法だ。
- 植物プランクトン
- 動物プランクトン(カイアシ類・ヨコエビ等)
- 珪藻類
- 魚卵・稚魚(カタクチイワシは比較的肉食性が強い)
行動パターン
- 大群(スクール)で回遊する。数百〜数千匹単位の群れで沿岸を移動する
- 表層〜中層を泳ぐ。サビキ釣りでは比較的浅いタナで食うことが多い
- 潮の流れに沿って移動し、潮通しの良い堤防先端や漁港の入り口に回遊しやすい
- **水温16〜24℃**が適水温。春に北上し、秋に南下する季節回遊を行う
- 天敵が非常に多い。シーバス、ブリ、カツオ、イカ、海鳥など、多くの捕食者に狙われる
- 危険を感じると群れが一斉に方向を変える**「イワシボール」**を形成する
釣り方
ベストシーズン
| 季節 | 状況 | 難易度 | |---|---|---| | 春(4〜5月) | 小型が接岸開始・シラスサイズも混じる | 初心者向け | | 夏(6〜8月) | 最盛期・大群での入れ食いも | 初心者向け | | 秋(9〜11月) | 良型が混じる・脂がのり始める | 初心者向け | | 冬(12〜3月) | 回遊が減る・釣れる場所が限られる | 初心者向け |
おすすめ時間帯
- 朝マズメ(日の出前後)— 回遊のピークタイム
- 夕マズメ(日没前後)— 再び群れが接岸
- 日中も群れが入れば十分に釣れる。回遊次第なので時合いを逃さない
釣り方:サビキ釣り(一択)
イワシ釣りはサビキ釣りが基本中の基本。むしろイワシを釣るためにサビキ以外の選択肢はほぼない。仕掛けを落としてコマセを撒けば、群れが来ていれば高確率で釣れる。
タックル:
- 竿:万能竿・磯竿 1.5〜2号(2.5〜3.6m)。短めのほうが取り回しが楽
- リール:スピニングリール 2000〜2500番
- 仕掛け:サビキ仕掛け(針3〜6号)。イワシはアジより口が小さいので小針がベター
- コマセ:アミエビ(チューブ式が手軽で初心者におすすめ)
釣り方のポイント:
- 仕掛けを投入し、コマセカゴを2〜3回シャクってアミエビを撒く
- そのまま仕掛けを漂わせる。イワシはすぐに食ってくる
- 竿先に「ブルブルッ」とアタリが出たら、ゆっくり巻き上げる
- 欲張って追い食いを待ちすぎると仕掛けが絡むので注意
TIP
イワシのサビキ釣りではタナ(深さ)が重要。イワシは表層にいることが多いので、底まで沈めずに水面から1〜3mの浅いタナを探ってみよう。周りで釣れている人のウキの位置を参考にするのも手だ。
回遊情報の重要性
イワシ釣りで最も大切なのは**「群れが来ているかどうか」**。技術よりもタイミングが釣果を左右する魚だ。
回遊情報を得る方法:
- 釣具店の釣果情報:地元の釣具店が最新の回遊情報を持っている
- SNS・釣り情報サイト:リアルタイムの釣果報告をチェック
- 現地で海面を観察:水面がざわざわしていたらイワシの群れかもしれない
- 海鳥の動き:カモメやウミネコが海面に群がっていたら、その下にイワシがいる可能性大
WARNING
イワシは鱗が剥がれやすく、手やクーラーボックスがすぐに鱗だらけになる。また、鮮度落ちが非常に早い魚なので、釣ったらすぐに氷水(潮氷)に入れること。常温で放置すると短時間で傷んでしまう。ウェットティッシュやタオルを多めに持参しよう。
おすすめポイント
- 漁港の堤防:最も手軽にイワシが狙えるポイント。足場も良い
- 堤防の先端:潮通しが良く、回遊が最も入りやすい
- 漁港の入り口付近:出入りする潮に乗ってイワシが入ってくる
- 常夜灯周り:夜釣りではプランクトンが集まる明かりの下が好ポイント
食べ方
旬
夏〜秋(7〜10月)が旬。特に秋口のマイワシは「入梅イワシ」に並ぶ脂のりで、刺身が絶品。カタクチイワシは通年安定して美味しい。
おすすめ料理
- 刺身・酢洗い:新鮮なイワシの刺身は脂が甘く、生姜醤油で食べると最高。酢洗いにすると臭みが消えてさっぱりと楽しめる
- 煮付け(甘露煮):生姜と醤油でじっくり煮込む。小骨まで柔らかくなる
- フライ・唐揚げ:サクサクの衣と柔らかい身のコントラスト。数釣りした日のおかずに最適
- つみれ汁:叩いて団子にした「つみれ」を味噌汁や鍋に。出汁が絶品
- オイルサーディン:カタクチイワシをオリーブオイルで煮る自家製缶詰風。ワインのお供に
TIP
カタクチイワシは手で簡単にさばける。頭をちぎって内臓を取り、親指で腹を開いて背骨を外す「手開き」をマスターすれば、包丁なしで大量のイワシを短時間でさばける。釣り場で下処理してしまうのも手だ。
イワシとフィッシュイーターの関係
イワシは海の食物連鎖において最も重要なベイトフィッシュだ。イワシの回遊は他の多くの魚の接岸を引き起こす。
| フィッシュイーター | イワシとの関係 | |---|---| | シーバス(スズキ) | 港湾・河口でイワシの群れに着く | | ブリ・イナダ | イワシを追って沿岸に回遊する | | ヒラメ | イワシが接岸するとサーフに集まる | | マゴチ | 同上。砂地のボトムで待ち構える | | カンパチ | イワシの群れを猛スピードで追い回す | | イカ(アオリイカ等) | 夜間にイワシの群れを襲う |
イワシ自体の釣りを楽しみつつ、その回遊情報を他の釣りに活かす。これもイワシ釣りの醍醐味のひとつだ。
イワシの回遊を記録しよう。群れの規模・時間帯・潮の状態を蓄積すれば、フィッシュイーター狙いにも活きるデータになる。
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